ポップミュージックという闘い - 新年によせて -

南極スタジオの外につららがいっぱいできてて、
ぼこぼこ叩いてたりしたら一日が暮れてしまいました。
こうして楽曲の締め切りに間に合わなくなるんですね、わかります。


改めまして、あけましておめでとうございます。


南極スタジオの外は荒れ模様ですが、
スタジオの中はとっても静かで、ブライアン・イーノの音楽が流れています。


楽曲の締め切り云々って話をしましたけど、
そもそもペンプロ始めた最初の頃は作曲を依頼されることなんてなかったわけで
そう考えると継続は力なりだなーって思います。
ペンプロが活動開始したのが2008年の4月なので、
考えてみれば、もう一昨年のことなんですね。


PENGUINS PROJECTの活動目的は、
可能な限りの普遍性を持つ、
ジャンルの壁、カルチャーの壁を超えた
究極のポップミュージックを作ることで、
そのゴールは、
普遍性の高いポップカルチャーだけが持つ
強い伝播性と影響力で
日本を始めとする世界中の人々の
意識のありよう、物の考えかたを刺激し、
世界をもっと自由で、知的な場所にすることです。


僕は、ポップミュージックを作る行為は闘いだと思います。
闘う対象は自分自身…ていうと格好がつくのかもしれないけど
そうではなくて。
やっぱり社会なんだと思う。
メロディで仕掛けるゲリラ戦だと思っています。
不穏な言い方であることを承知の上で申し上げれば、
深夜のコンビニで流れてるメロディによって
お客さんが気付いてないうちに深層意識を変革できるとすれば
それは化学兵器に近いですよね。


なんか、わけのわからないことが散乱している
現代の社会というものがあって、
とりあえず、その中で生きて行かなきゃいけないんだけど、
もうとにかく、わけがわからないと。
何語しゃべってるんですかアハーンと。
まずそういう状況があるわけです。
そんな中で、「ソファソファソラー、ファソファソファソラー」でもなんでもいいけど
なにか人々の心を打つメロディがあれば、
問答無用で、理屈を超えて、ロジカルを超えて、
みんながクリエイターのほうを向いてくれるわけです。
「俺はここにいるんだ!」→「あいつはあそこにいるのか!」っていうね。
それが無ければ僕は社会から抹殺されてしまいかねないんです。


これが一番強い力で出来るのがポップだと思います。
だからポップというのは、非常に残酷で、冷酷なもので、
ヒットする、しないという形で、結果もすぐに出てしまう。
だけどだからこそ頑張る意味があるんです。
生存証明なんです。


僕は作曲をするときに、常にヒットさせたいと願って作曲しています。
この音符で本当にいいのか、ここのメロディラインは
もっと興奮させられるんじゃないのか、
涙が止まらないほどの感動を与えるためには、
もっとこのメロディラインに対して出来ることがあるんじゃないか。
もっと感動させたい、泣かせたい、笑わせたい、心を動かして、刻みつけたい。


トヨタカイゼンや、ゴールドマン・サックスのトレードと
同じ土俵で、同じレベルで勝負しているつもりです。
1秒でも早く、1グラムでも軽く、1ドルでも多く。


南極は、そんなポップミュージックにうってつけの場所です。
確かにここには何もありません。
文化もなければ、土着の音楽もありません。
ただ氷と雪と吹雪があるだけです。
孤独と想像力が支配する世界。


だからこそ、どんな文化にも、どんなジャンルにも縛られず、
自由に、ひたすら普遍性だけを目指して、
どこまでも貪欲にポップミュージックという闘いを遂行できるんです。
本当の新大陸だと思ってます。


PENGUINS PROJECTはこれからも、
メロディの力、ポップミュージックの力で、
世界中に向けて、普遍的な自由を求めて、
活動を続けていきたいと思います。


やがて世界中で自らの才能に気づいた
各種ペンギンのみなさまが
飛べない鳥なりの想像力とITを駆使して
地球のあちこちを自由に飛び回る日がくることが
僕の願いです。


そうすれば世界はもっと生きやすい場所になるはず。


本年もPENGUINS PROJECTをよろしくお願い致します。